交配は豚肉生産の最初の工程です。
豚の発情は年間を通してあり、その発情の周期は21日です。
現在、交配は人工授精(AI)が主流になっています。新鮮な精液を希釈し受精させます。
交配から35日間は特に安静に飼養する必要があります。交配から21日・42日前後に妊娠鑑定を行います。
授乳期間中の子豚はとても寒がりです。適切な温度と湿度の管理が必要です。
出産をして最初に出る母乳は初乳と呼ばれ子豚にとっては非常に大切です。
子豚は初乳から多くの免疫をもらい病気から身を守るのです。全ての子豚が初乳をしっかりと飲めるように管理することが大変重要です。
一頭の母豚から生まれる子豚の数と同様に、一頭の母豚から授乳して元気に育った子豚の数は養豚場にとって重要な数字です。
生まれてきた子豚を皆、元気に育てることがこのセクションの役割です。
子豚たちは生後21日頃母豚から離されて、子豚だけで大部屋で飼育されるようになります。この頃の子豚は非常に好奇心が強く、
何に対しても敏感に反応し、部屋の中を元気に走り回ります。
離乳された子豚たちは母豚から得ていた免疫を受けることができなくなり、初乳から受け取った免疫も低下していきます。
その結果、病気への抵抗力が弱まります。そのためワクチンを投与したり病気の豚がいないかをよく観察します。更に温度や湿度管理も大変重要です。
養豚の現場では分娩舎と、離乳舎での事故率を如何に下げるか、そして免疫力の落ちる期間に如何に病気をさせることなく育てるか、各々の場面でそれぞれ担当者の技が光ります。
生後約70日、体重約30kgの豚は肥育豚舎へ移動します。
生後100日~110日を過ぎた辺りから肉豚仕上げ用の餌を与えます。肉豚仕上げの餌をしっかり食べさせることは生産するために非常に大事なことで、どんなに良い系統の豚にどんなに高価な餌を与えても、与える期間や食べさせる量が十分でないと期待される肉質や味にはなりません。きちんと餌を食べているか、また水をしっかり飲んでいるかを管理します。
そして、生後約180日、体重約115~118kgで肉豚として出荷されていきます。